パラボラ集音機の自作実験の巻

週の週末は、秋の渡りに期待をして公園をまわりましたが、
まったく鳥の影がありません。ついに野鳥動画のネタが切れました。

そこで今日は、7月富士山に遠征した際に、富士山の五合目まで運び込んだ、秘密兵器を公開します。

それは、ビデオ撮影には欠かせないマイク機材です。
「RODE」のマイクを購入した事は、以前のブログでご紹介しましたが‥、

ショットガンタイプ
[img]http://www.birdlover.jp/img/110701rode2.jpg[/img]
RODE VIDEOMICPRO

鳥のさえずりや羽音、水浴びの音を狙ってみたいと思い、
このマイクに更に、改造を加える事を思いついてしまいました。
それは「パラボラ集音大作戦」です。

パラポラ集音器とは、傘を逆さまにしたような形状で、特定方向からの音を集める器具です。
パラポラ集音器をネット販売などで探したのですが、なかなか見つからないのが現状です。
海外のメーカーの物を見つけたのですが、価格が20万円以上するプロ用の物ばかりでした。

そこで‥、
実は仕事がら成形工場の方々とおつきあいが有りまして、
プラスチック成形の会社にお願いして、半円形の型の有る物を
いくつか、様々なサイズでサンプルを頂いて来ました。

パラボラ集音機の作り方1
[img]http://www.birdlover.jp/img/parabola1-560.jpg[/img]

今回は、直径30センチ程の成型品を使う事にしました。
マイクを止める、ステーの幅に印を付けて、カッターで切り込みを入れます。

[img]http://www.birdlover.jp/img/parabola2-560.jpg[/img]

パラボラのセンター位置に、マイクをセットして、セロハンテープで止めて、即席パラボラマイクの完成です。

作業時間、何と20分程。
薄いブリスター成型品なので、加工もカッターナイフで楽々です。

[img]http://www.birdlover.jp/img/parabola3-500.jpg[/img]

富士山の五合目でセットアップ!
ブリスター成形品は樹脂が薄いので、丸めてカバンに入れる事ができて運ぶのが楽でした。
使っていない三脚にマイクを取り付けて、テスト録音してみました。
7月の富士山は、メボソムシクイやルリビタキのさえずりで賑やかです。

< パラボラを付けて撮ったキクイタダキ ?>?
画像をクリックすると動画再生がスタートします。
周囲の音が入っていますので、音量にご注意下さい。

つぎは、パラボラを付けずに、指向性マイクのみで撮影した場合の映像です。

< 指向性マイクで撮ったキクイタダキ ?>?
画像をクリックすると動画再生がスタートします。
周囲の音が入っていますので、音量にご注意下さい。

戦場に来た様ですね。
周りのカメラマンの方々のシャッター音が、違う事が判って頂けると思います。

「鳥の音を集める」が目的で初めたテストですが、
「周囲の音を消す」効果が高い事に気が付きました。
野鳥の動画を撮る際は、どうしてもカメラのシャッター音が入りますが、
このパラボラを使用すると、かなり押さえられる事が判りました!

例をもう一つご紹介します。
< パラボラを付けて撮ったウソの水浴び ?>?
画像をクリックすると動画再生がスタートします。
周囲の音が入っていますので、音量にご注意下さい。

キビタキのさえずりや、メボソムシクイのさえずりも集音されています。
次の動画は、パラボラ無しの指向性マイクのみの場合です。

< 指向性マイクのみで撮ったウソの水浴び ?>?
画像をクリックすると動画再生がスタートします。
周囲の音が入っていますので、音量にご注意下さい。

やっぱり戦場カメラマンの状態です。
パラボラ集音機の効果を実感する事ができました。
このブリスター成形品をご提供頂きました、
プラスチック成形会社のM社長ありがとうございました。
また、今後とも宜しくお願いします。

※追記
パラボラ成型品の購入の件で、たくさんのメールを頂きました。
下記のネットショップで、「自作パラボラマイク」用の
カスタムパーツの入手が可能になりました。↓

>> Erth Lab Shop・自作パラボラマイクページ

>> プロホビーショップ・自作パラボラマイクページ